浴室リフォームの一つ、浴室塗装・浴槽塗装とは!

お風呂なんて塗装できるの!?、と最近またよく耳にします。
そこで、そんなまだまだ知らない方の為に、浴室リフォームの画期的な選択肢の一つ、浴室塗装・浴槽塗装、を説明させていただきます。

30数年前にアメリカから技法、塗料が輸入されたのが、浴室塗装・浴槽塗装の始まりだと言われています。
アメリカでは50年以上の歴史があり、浴槽塗装業者や塗料メーカーが多数存在する、メジャーなリフォーム方法となっていますが、
日本では東西の大都市を除き、全国的にまだまだ認知度の低い工法です。
浴室・浴槽を塗装なんて出来るの? 剥がれは起きないの? 仕上がりは綺麗なの? 健康面でどうなの?耐用年数は? 等々、
知らない方にとってはいろいろな疑問が出てくるかもしれませんが、
現在では全国の一流ホテルのシステム(ユニット)バスや浴槽、分譲マンション等で多く取り入れらている、
浴室リフォームの一つ、壊さずに再利用できる優秀な工法です。

システムバス(=ユニットバス)とは。
システムバスは、1964年の東京オリンピック開催を機にホテル用に開発され、
その後日本住宅公団により大量に全国的に広がっていきました。
住宅用に転用された当初はホテル同様、スリー・イン・ワンタイプ(3点式)の洋式システムバスでした。
スリー・イン・ワンタイプとは浴槽・便器・洗面が一体化した箱物状の浴室の事です。
しかし、一般住宅でのスリー・イン・ワンタイプは日本人の習慣に合わないため、集合住宅等には、
スリー・イン・ワンタイプから便器・洗面を除いた、ハーフシステムバス(洗い場一体型の浴槽)が主流となり、
その後システムメーカーがこぞって開発を重ね、現在のような様々なタイプのシステムバスへと進化を遂げました。
今や、システムバスは、戸建住宅やマンションでの日本のスタンダード浴室です。

欧米でメジャーな浴槽塗装が日本では広がっていない理由の一つには、瑕疵率が高いという事があげられます。
欧米ではシャワーで済ますことが多いために、浴槽に殆ど負担が掛かりませんが、
日本では長時間のお湯張り=溜め湯、追いだき、蓋の使用など過酷な状況下での使用となるため、絶対的な耐久性が必要となります。
それは、その状況下に耐えうる様に施工する知識・技術・経験が必要になる、ということです。
今までにフランチャイズや代理店制度などで沢山の業者が出てきては消えて行きました。
日本での塗料メーカーは、ほとんどが製造販売中止に追い込まれています。
使用塗料の問題もありますが、施工技術が確立されていなかった為に、
剥がれ・膨れが多発し、お手上げ状態で企業破綻又は撤退に追いやられたのです。
現在、何とか生き残ったパイオニア的な専門業者は日本に数社しかありません。
それほど、浴室・浴槽塗装は、シビアでデリケートな職人仕事なのです。

私どもは、剥がれない施工技術を確立し、全国各地の様々な浴室・浴槽を施工させていただいております。
この仕事の奥の深さに魅せられ、十数年、試行錯誤を重ね作り上げた独自の技法、知識、経験を基に、
アミューズメントホテル、リゾートホテル、ビジネスホテルから、アパート、マンション、戸建住宅まで
数千槽の施工実績を数え、お客様の信頼をいただいていると自負しております。
現場は一つとして同じものはありません。日々精進、毎日が勉強。
より優れた技を模索し、常にスキルアップを目指すこと、それが私の職人としてのモットーです。

浴室・浴槽塗装は剥がれるからダメだ、という風評を今でも耳にすることがありますが、本当に残念なことです。
安かろう、悪かろう、これぐらいでいいだろう、ではダメです。私自身、素人のような知識しか持ち合わせていない、
明らかに経験不足のまま施工された物件に出くわした時には、驚くを通り越し、呆れ、怒りの感情さえ覚えました。
他業者が施工した物件のやり直しの依頼をいただくことがある、という現状は、この業界にとって本当に残念だと思っています。
HP、チラシではわかりにくいことですが、浴室・浴槽塗装の業者選びは、慎重に行ってもらいたいものです。

浴室塗装・浴槽塗装とは何ぞや

<浴室塗装・浴槽塗装とは>
水廻り専用樹脂塗料を特殊機器を用いて浴室全体及び浴槽を吹きつけリニューアルすることです。
吹きつけ=コーティング=塗装の意味です。

こんな感じで吹き付けますが、箱物で入隅(二つの面が入り合ってできる角)が多い浴室・浴槽は見た目以上に難しい塗装となります。

時々、刷毛塗りやローラー塗りで塗装された物件を見かけますが、
このような場合は建築塗装の部類であり、我々の浴室塗装・浴槽塗装とは掛け離れたものとなります。

簡単に施工方法を記述しますと、
洗浄 → 足付け → 乾燥 → 補修 → 養生 → 下塗り吹き付け → 乾燥 → 上塗り吹き付け → 乾燥 → 仕上げ作業となります。

システムバスの一般的な施工方法を例に挙げます。
まず、取り外し可能なシャワーフック、タオル掛け、鏡等を外していきます。
その後、汚れにあった洗浄剤で湯垢や脂肪分を除去します。
綺麗になったら耐水ペーパー等を使用し塗料が密着出来るように足付けという作業に移ります。
足付けは、命です。地道に時間をかけ丁寧にこなさなければ、後に剥がれ、膨れを引き起こす原因となる重要な工程です。
作業時には結果は見えませんが、不十分なことをすれば後に悪い結果を見ることになります。
足付けが終了したら、強制乾燥(水分は塗装の天敵です)後に、必要箇所を養生します。
塗装機等のセッティングが完了すれば、いよいよ吹き付けの開始です。
一般的な塗装方法としては、まずはプライマーと呼ばれる下塗りを吹き付けます。
(塗料の性能上この下塗りを吹かない業者もあります。接着理論を考えると理解できますが。)
下塗りは、材質、塗料により違いますが基本的には必要不可欠な重要工程です。
下塗りの乾燥確認後に塗膜の肌の調整をしてから上塗り工程に入ります。
浴槽塗装の代名詞とも言える上塗りは、浴槽塗装職人の一番の腕の見せどころでしょう。
スプレーガンとの距離、動かし方、スピード、吐出量、温度、湿度・・・あらゆる事を考慮しながら、長年のカンで吹き上げます。
いかに肌良く仕上げるか、いかに光沢を出すか、この作業にかかっています。
上塗り後は、塗膜の硬化時間を少しでも長く取ることで、美しい仕上げを行う事が可能となります。
仕上げ磨き作業は、吹き付け時に付着したホコリ(無菌室でもない限り必ず付着します)の除去とともに、
塗膜の状況を確認するために行います。

現在主流の浴室リフォーム方法は、
在来工法(浴槽埋め込み、壁面タイル、壁面腰上 & 天井掻き落とし、床タイルなど)からシステムバスに。
システムバスから新しいシステムバスに、ですが、
いずれにしろ高額な費用と工期が必要になります。
上記の方法と比べれば、塗装という工法は、費用も工期も、騒音も大きく抑えられる、優秀な工法と言えます。
また、浴室・浴槽に使用される塩ビ鋼板、FRP、ポリ、PP、人造大理石、ホーロー、ステンレス、タイルなど殆どの材質に適応可能です。
浴槽カラー、浴室カラー。塗装色も、現場で調合するためお好みの色に仕上げることができます。

古くなった浴槽で、これは直せないだろう!と思われるFRP製品。
割れてしまって水が漏っている浴槽、穴が開いた浴槽、クラックが無数にある浴槽、
ブリスターと呼ばれる膨れがある浴槽などもFRPライニング工法で再生する事が出来ます。

在来工法で多いホーロー浴槽の場合は、30年ほど使用すると、表面を覆っている釉薬(ガラス)が水の溶解力と破壊力で剥げ落ちてしまい、
喫水線から下が変色し尚且つピンホールと呼ばれる小さな穴が無数に出てきてしまいます。
入れ替えしかないと諦めていた、このような状態でも特殊耐水パテを使用することで殆どの場合、新品同様に再生することが可能となります。
殆どの場合、と書きましたが、それは、全ての劣化状況が再生可能というわけではないからです。。
時々ネットで見かけますが、なんでも直せます、はNGです。
ホーロー浴槽で裏からサビてしまい表側まで貫通している浴槽などがその例となります。
貫通しているホーロー浴槽の裏側は完全にサビていて、一部を再生したとしても次にどこから問題が出るかわかりません。
パテや鉄ライニングという方法で見た目には再生することは可能ですが、このような状態ではいずれ再発する可能性が多々あります。
どんな状況にも限界はあります。その場合ご依頼主にその現状を丁寧に説明させていただくとともに、入れ替えをお勧めいたします。

そしてもう一つ、早めがお得です。
自動車板金でも同じですが、車をぶつけて直ぐに処理をせず放ったらかしにするとサビが出てきます。
早期に直すのとサビサビになってから直すのとではコスト面も時間も変わってきます。
浴槽も同様です。少し割れがある、表面にサビがあるなど早いうちに対処すれば施工価格、施工時間を抑えられます。
何かおかしい、色が変わってきた、膨れがある、など疑問に思ったら早めにご依頼いただくことは得策となります。
今後、浴槽を入れ替えたい、浴槽修理をしたい、浴槽のカラーを変えたい、そんな風に思われた時には、
是非、エコな浴室塗装・浴槽塗装業界のことを思い出していただき、ご検討していただければ、ありがたく思います。

浴室塗装・浴槽塗装に私が使用している水廻り塗料は、
日本水道協会規格適合品であり、飲料水設備に使用される塗料であり、安全性を兼ね備えております。

浴室塗装・浴槽塗装を5R運動の一環として、もっともっと一般的に浴室リフォームの選択肢に取り入れてもらいたいと切に願っております。

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