FRA浴槽塗装 あま市

現場は愛知県あま市。 
競売物件の戸建住宅のFRA浴槽塗装です。
施工日は今期一番の寒波到来、吹雪状態で最悪でした。
もちろん気温は一桁台で、浴槽塗装には非常に不向きな日となりました。
なんせ寒いのはあかんです。 塗料が付きません!
浴槽塗装は気温が極端に低い日、また湿度が極端に高い梅雨時等は特に気を使いますね。
このような時期で一番気を使うのは、ステンレス浴槽ですが、
FRP浴槽などの樹脂浴槽もそれなりに考えて吹付をしなければ、
塗料が流れてしまいます。

浴槽の変色とエプロンに割れがあり塗装で再生する事に。
浴槽内部とエプロンにはコテコテの汚れが付着していて、
先ずはビッシリと付着した、このリンス系の汚れを落とす事から始まります。

Before

エプロンには上下2箇所の割れが発生していました。
大した割れではないので、補修は簡単に思われるかもしれませんが、
材質がPP系なので簡単にはパテ等がくっつきません。
案外、厄介ですね。
こんな時は裏からメッシュを当ててからパテを打ち込み補修となります。
メッシュを当てる事で、パテの流れ込みを防ぐ事が可能ですね。

今回も白のソリッドで再生塗装となりました。
私が一番お勧めな色で、とても奇禮な白ですが、
写真家としては素人故、上手く撮る事ができません。
いつもイマイチやなぁ~、そんなんが続いています。
だけど、やっぱり白は奇禮ですよ。

After

追記です。

この現場で作業をしていたら、こんな出来事がありました。
現場の近所に住まいを構える人が突然現れ、
「何の工事されているんですか?」と質問されました。
「浴槽の塗装業者です」と答えると。
「えっ、そうなんですか、少し話させてもらっていいですか?」と言われるので、
「ちょうど乾燥時間なので、いいですよ」と私。
「実は以前、一度業者に頼んで浴槽を塗装したんですが剥がれて来て困っているんです」と。
「そんなんですか、それなら直させればいいじゃないですか!」と言うと。
「もうその業者は廃業しているようで連絡がつかないんです」と。
よくある話ですね。

色々とお話を聞くと、浴槽は30年以上使用した鋼板ホーロー浴槽で、
釉薬は剥がれ落ち、全体的にピンホールが発生していた状況で、
浴槽塗装を依頼したらしいです。
施工方法、施工価格などを聞くと、これまた、かなりビックリです。
先ずは施工価格ですが、なんと4万5千円だったそうです。
この金額を聞けば、「そりゃー剥がれて仕方ないでしょう」と一蹴です。
それも9時過ぎに来て、午後3時頃には施工が終わったらしいですわ。
ありえませんよね!
ましてやピンホールはそのままで、ローラーでコロコロと塗っていったそうです。
この話を聞いた時に、気の長~い私ですが頬がピクピクしていました。
困ったもんです。 何の塗料を塗ったんでしょうかねぇ???
下地調整の為にピンホールなどの劣化した箇所を直すのは当たり前で、
せめてガンを使ったスプレー塗装が最低条件でしょう!
また、1日施工は可能ですが、既に数百件の実績とか長年経験を積まないと無理な作業となります。
そして、9時に来て午後3時には終わる事も不可能でしょう。
乾燥時間と仕上げが必要ですし、在来なのでコーキングを打たなければなりません。
どうやっても夕方にはなりますね。

こんな話を聞いてしまったので、少し書いてみます。

最近は余り聞かなくなりましたが、一時期は景気に左右されこの浴室塗装業界に雪崩の様に、
新規業者が入り込んできました。
新規業者は仕事を確保する為に、極端な安売りをしては失敗の繰り返しを起こします。
何の為に進出したのか、分かりませんよね。
それも極端に安く売っているので、やり直し等すれば真っ赤かです。
私が主に仕事をしている愛知県下でも、ボトムの価格は3万で施工する業者もいました。
この3万と言う価格ですが、浴槽だけの塗装でも通常の半額以下なのに、
なぁ~んと、フルユニットの浴室を施工すると言う無茶苦茶な価格でした。 
ありえない価格ですね。 好きにやって下さい、そんな感じでした。
この様な価格で施工する業者はまともではありませんが、
この価格で施工以来する側も常識外れです。
剥がれたり、膨れたり問題が起こっても仕方ないでしょう!
保証を付ける事など論外ですね。
安かろう悪かろう、ですわ!

浴室塗装業界に突然入り込み、安い価格で適当な仕事をしては、
業界を乱して去って行ってしまう。こんなのは、もう勘弁してほしいですね。
こういう業者がいるので、未だに浴槽塗装は剥がれるからダメだと、
変な噂が流れているのでしょう!
何でもそうだと思いますが、
業界に於ける標準価格より極端に安い価格で施工を受ける業者には、
気をつけるべきだと私は思います。
安い価格=手抜き作業となるのは必須となりますから。
これまでに、浴槽塗装後に剥がれた浴槽、
塗膜の艶が極端に悪くなった浴槽を何度も見かけ数多く直してきましたが、
このような中途半端な業者が増えている事が大きな原因では、と思っています。

ハートランドとつぼは10年以上の施工経験と数千件の施工実績で、
独自の工法を確立しており、
艶に関しても塗膜の劣化を遅らせる塗料を使い施工をしておりますので、
長期間、施工時の艶を維持する事ができます。
浴室・浴槽塗装は、母材を判断し、
劣化状況に合わせた下地の調整、密着理論、塗料の選択、施工技術などを駆使した上で
施工する事となりますので、経験と知識が必要なのは言うまでもありません。

浴室・浴槽塗装は瑕疵率の高い特殊な仕事と位置付けられています。
研修等を受け、新しく参入しても直ぐに出来る仕事ではありません。
同じ建物で同じ構造、同じ浴槽でも一つとして劣化具合が同じものはありません。
ベテランの人の下で、何回も同行などして作業を覚えたり、盗んだり、聞いたりして、
少しずつ知識と技術を身につけていくしかないのが、この浴室・浴槽塗装なのです。

こんな話もありました。
塗装経験の全くない人が研修を受け、その後3件しか施工したことがない人が、
トップの上塗りが上手く吹けないんですと、相談してきました。
私は「はっ、何ゆうとんの!」と、一言。
上塗りより足付もちゃんと出来ないのに、その質問は変やろうと、
浴槽塗装の難しさを何も分かっていない、
こんな人には私は即刻 「もう辞めた方がええんとちゃいますか!」と、言ってあげます。
優しいと思いませんか? こんな人はやらない方がましです。
この難しい水廻りへの塗装です、上塗りは直しが効きますが、
下地調整は直しがききません!
其の辺が理解出来ない人は施工しない方がましです。
施主に迷惑がかかるのが目に見えるからです。 
厄介ですね!

この浴室・浴槽塗装という仕事は、大きな現場以外は一人で作業する事が殆どです。
現場で問題が発生した時に、
電話して対処方法が聞ける親方や、信頼出来る仲間が必ず必要になってきます。
横の付き合いが薄い職種ですが、仲間を確保しておく事が生き残る一つの方法かもしれません。
私も最善であろうと思われるこの方法でやってきました。
仲間は絶対に必要ですからね。

これからこの浴室・浴槽塗装業界に参入をお考えの方に苦言を呈したいものです。

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