FRA浴槽塗装

浴槽塗装を始め今までで一番の過酷な現場となりました。

場所は静岡県沼津市のレジャーホテルです。

日本で三本の指に入る巨大組織のレジャーホテルグループで施工。

私がこの世界に入るきっかけを作ってくれた人が元請けですが、

最初に電話をもらった時に、いきなり「1つあるけどいつ行ける?」と。

私 「どんな具合ですか?」 

元請け 「少し剥げてるところがあるくらいだ! それとちょこっと膨れてる箇所がある」

私 「現調しないと見積り金額も出ないから見に行きます。」

と、言うことで6月24日に250㎞走り元請けと二人で現調に行ってきました。

ホテルの支配人と3人でチェックすると底面にはブリスターがボコボコと出ていて、

フランジが3ヶ所 剥げている状態でした。

支配人に 「何回塗ってあるんですか?」と聞くと、  

支配人  「1回だけだと思う??」と。

本当は刃物を入れて確かめたかったが、決まるかどうか分からないので

「剥離とライニングが必要です」 とだけ答え帰路に。

帰りの車の中で元請けに、もう金額出したんですか?と聞くと、

10万位と伝えたと。 私 「不可能!倍はかかりますよ!」伝える。

帰宅後にSpecial Priceで見積りを提出するが、いつものようにまず決まらないだろうとの予測。

今回もダメだろうと思っていたらいきなり施工することになり、思わず 「マジデスカ!」と。

工期は2日間 とても不安だったので長野の林さんに応援をお願いしました。

6月27,28日と緊急工事です。

27日いきなりインター出た直ぐの道を違う方向に走ってしまい、

30分のロスタイム。 8時から荷物を上げ、30分後には既に汗だくでした。

写真では分かりにくいですが底面はブリスターでボコボコです。

浴室内に漂う酸性の嫌な匂いに不安を覚えながら施工開始となりました。

今まで数しれず吹いてきた 「J社製」 の浴槽です。

疑いも無しに F R P だと思い、シングルポリッシャーに60番を付けて剥離開始をするも、

何故だか全然剥げない。40番に変えてみるもあまり剥げない。

二人して首を傾げる。 何か変!

膨れ箇所から刃物を入れてみるとパリーっと剥げ出した。

剥いだ塗膜を良く見ると1回2回3回4回も塗ってある事に気づく。

「なんじゃこれっ~!!!!!!!!!!!!!!」 <怒>

それも分厚い!R部分なんかは3~4ミリはあり、とても削り落せる状態ではない。

刃物を大に変えて入れてみると、パリーパリーと壁面なんかは母材の上から綺麗に剥げる。

全く付いていないような感覚で剥げまくる。

剥いだ箇所を見るとやはり研いだ形跡が無い。 またビックリ!

エッ!もしかしてプライマーは 「M」 か!

同時に F R A だとこの時点で気付く。

一部壁面に大量のエポパテが打ちこんであり、これがまた堅い。

最初の業者がえぐりたくったためにエポパテを入れたみたいだが、

その上にライニングしてある、普通は密着性の問題があるから

エポの上にはポリエステルは使わないはずなのだか。

ウレタンプライマーを打っての施工か?まさか、、、、。

底面も分厚くて何故か刃物も入らないので碁盤の目状に刃物を入れて剥ぎました。

剥ぎだすとまたビックリです。チョップストランドマットが分厚く引いてあり、

そのマットが大量の水分を含んでいる状態です。

オズモティックプレッシャーによる典型的な例ですね。

最初の嫌な予感が当たりました。 膨れ箇所はもちろん、マット全体から漂う酸性の臭い匂い。

鼻をつき、勘弁して~って感じです。

一体全体どうなってるの???

昼飯も食べずに数回の休憩をして夕方6時までぶっ続けの作業です。

マット撤去作業は大変でした。

底がこんな風になっているとは夢にも思っていなかったのでグラインダーは持っていないし、

撤去する道具は皆無。 仕方なく刃物で切り取る事に。 

水分を大量に含んでいてブヨブヨ状態なので取りにくい。

切った面を見ると、なんと樹脂が含浸していない箇所があちこちに。

時間が無いので二人して刃物で切りたくっていたら、腕やら足やら肌が痒くなってきて、

そのうちに赤く腫れ発疹が出てきて大変な作業でした。

含浸していないマットのカスが宙に舞い体に付着して痒みを引き出すという

最悪な結果です。

それでも夕方6時までは必至で作業です。

本当は1日目にライニングまでやりたかったのですが、とても無理!

groggyでシャワーを浴びて終わりにしました。

二日目の朝は5時半起床。

6時前からライニングの準備。

R部分に出来た酷い段差を埋めるために樹脂パテを打ち込み、

その上からクロスを入れての作業でした。

ライニング箇所の研ぎと全体の研ぎを終え、

不陸形成のためパテを打ち込み面だし、下塗りの準備と慌ただしく時間が経過します。

今回は経験を積むために林さんに下塗り、上塗りを吹いてもらいました。

プライマーを吹き終わったのは13時半。

噴出穴から吹きつけ中に水が出てきて水分を拭き取りつつの下塗りでした。

赤外線で強制乾燥後に水が垂れた部分に再度エポパテを入れ補修。

上塗りは9200を使用。 16時半吹きつけ終了。

ここから9200の本領発揮です。

ガンを洗い終え30分後には触れる状態までになっていました。

1時間後には指紋が付かない状態までいけます。

強制乾燥1200ワットで2時間で乗れる状態に。

9100では最低でも吹き終わってから強制乾燥して4時間以上は置かないと

乗ることはまず不可能です。 

肌のチェックを行うと数カ所に膨れがあることが判明。

プライマーの時に垂れた水分が残っていたのが原因と思われます。

19時頃からブツ取りと久しぶりのポリッシャーによるバフ掛け。

膨れ箇所の撤去と作業は続きました。

養生撤去後にコーキングの打ち込み、膨れた箇所にエポパテを入れ再形成。

時間を見ると、もう21時!あっという間でした。

小型のコンプレッサーを車から運び込み部分ぼかし塗装でなんとか終了しましたが、

最後にまたまた問題発生です。

浴槽上部の混合栓を取り付けるも、チョロチョロと水が垂れ何度やリ直しても止まらない。

パッキンが割れていて修復不可能。

持っているパッキンはどれもサイズ違い。 ホテルのフロントに在庫の確認するもこれもサイズ違いばかり。

こんな事を繰り返していたら既に23時を過ぎていました。

最後にもう一度取り外し、丁寧に付けて水がもれませんようにと祈りながら帰ることに。

フロントにパッキンの状態を説明して、ホテルを出たのが翌日0時10分。

途中、浜名湖SAで休憩して自宅に着いたのが3時過ぎでした。

そこから林さんは自宅のある上田市まで300㎞越えを帰る事に。

本当にお疲れさまでした。

シャワーを浴び15時まで爆睡。 ほんまに疲れた2日間でした。

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