鋼板ホーロー浴槽塗装 剥離 三重県桑名市。
約35年程使用された戸建の鋼板ホーロー浴槽。
この浴槽も長年溜湯をされていたようで、かなりの傷みが出ていました。
厄介な事に塗装されていました。
数カ所プクプクな大きなブリスターと、全体的に無数の細かいブリスターが発生。
一部には剥がれも。
剥がれた箇所は塗膜が浮いて鋭利な刃物状態。
このままでは肌が切れてしまいます。
この浴槽は何度か修理依頼をされた様です。
浴槽壁面下は塗膜が剥がれたために
エポキシパテがむき出し状態で打ち込んである状態。
ただ塗り込んだだけ、塗装はしてなく、ザラザラのコテコテ。
せめて面出しぐらいしろよ!って、感じです。
排水口周りにはフリーで打ったシリコンが茶色く変色。
水漏れは無いのに、何の為に?
これは修理ではありませんよね。 無茶苦茶で何でもあり状態!
こんなんあかんやろ!!!と、笑ってしまいます。
施工実績、経験が乏しいにもほどがある!
悲惨な状態です。こんな業者が今でもいるとは信じられませんね。
温厚な私が、ちょっとカチンときたので書かせてもらいますが、
先日も現調で、ある分譲マンションに伺うと、
浴室入り口から浴槽を見た瞬間、ユズ肌が見え、直ぐに塗装されているのが分かりました。
因にご主人は浴槽が塗装されているとは思っていなかった様です。
その浴槽も溜湯をされていて剥がれが発生、同時にブリスターだらけ。
塗装はともかく、剥がれた箇所をチェックすると、
足付け(塗料が確り付くようにするための一番大事な仕事です)も無しで、
さらにピン塗り(下塗り=エポキシ塗料を吹かずに上塗りの一発塗りです)。
恐らく競売物件なので、色だけ付けて販売されたのではないかと思います。
こんな業者がいるから、浴槽塗装は剥がれる!と変な風評が流れるんですよ。
本当に情けない、、、でもこんなんばっかです。
浴室・浴槽塗装は特殊な仕事で、経験と知識が無ければ施工は不可能です。
これは法人でも個人でも関係ありません。
特に法人だから確りやってもらえるだろうと思うのはナンセンスですよ。
HPに立派な写真を貼り付け、施工前後の写真でアピールしてあっても、
実は他から許可無しの引用、パクリ画像などの非常識を少なからず目にしてしまいます。本当に残念な実態です。
再度言いますが、浴室・浴槽塗装は知識・技術・経験が絶対に必要となります。
板金塗装を50年やってきた超ベテランの人でも、入隅の多い箱物の浴槽塗装は簡単には出来ません。
職種が違うのですから仕方ありませんよね。
浴室・浴槽塗装は立派な職人仕事です。
職人仕事としては大工・庭師・鳶・石屋・漆・寿司・金属加工、その他いろいろな職業がありますが、
いずれにしろ、師匠が居て、怒られたり、失敗したりして経験を積んで一人前になりますよね。
浴室・浴槽塗装も同じです。
研修を受けたから、マニュアルを覚えたから、知り合いに教えてもらったから、では現場では全く通用しません。
新規事業として行うなら、ベテラン施工業者に同行し現場で教えてもらうこと、
現場でつまずいた時に常にアドバイスを貰えるような人と接点を持つこと、が重要です。
また、横の繋がりも重要要素となってきます。
そんな浴室・浴槽塗装は、まだまだ日本では特殊な職種に分類されます。
この浴室・浴槽塗装業界への参入業者の数は、数年前には少し減少した感じがありましたが、
昨今、またいきなり雨後のタケノコの様に増えてきた気がします。
参入することについては何の問題もありません。職人仕事であることを認識し、
長い修行の旅に出る覚悟でこの仕事にきちんと向き合ってくれるなら、むしろ私は歓迎です。
しかし、安易に足を突っ込み、施工実績も殆ど残せないまま「浴室・浴槽塗装業」の看板を掲げただけになってしまっている人や会社がなんと多いことか、
これは素人が施工したのか?最低限の技術もないまま塗装された浴室・浴槽になぜ私はこんなにも多く出会ってしまうのか。
私達が良しとする浴室・浴槽塗装とはかけ離れたものが、同じ呼び名「浴室・浴槽塗装」として施されている現状は、本当に悲しく、残念でならないのです。
そんな訳で、浴室・浴槽塗装業者選びは慎重に行ってほしいものです。
久しぶりの剥離です。毎度同じみの、
剥離剤に含まれるジクロロメタンの臭いに耐えながら全剥離作業です。
マスクは直ぐに駄目になるし、皮膚は焼けそうになるし、
ホーロー浴槽の剥離は一番大変? 苦手な作業となります。
剥離後に浴槽をチェックすると、其処ら中ピンホールだらけで、
そのピンホールにはサビが多く発生していました。
ホーロー浴槽特有の下地処理後に、
こんな時にはサビ止めプライマーは必須ですね。
う〜ん、この浴槽を施行した業者はやはり素人なのか??
ピンホールを埋めるために、其処らじゅうにポリパテがビッシリと打ち込んでありました。
それも数ミリはあろうかと思うくらい分厚く。
水分を吸収したポリパテの上の塗膜は、刃物を入れるとペラッ~っと、気持ち良く剥がれました。
パテの意味は全く無く、母材とは全くくっ付いていない状態でした。
やれやれです。
今回ご依頼頂いた娘様も入れ替えを考えられていたそうですが、
たまたまネットで浴槽塗装を発見され施工に至りました。
施工後、ユニットにしなくて良かった!
新品みたいになった!と、大変喜んで頂きました。
スクラップアンドビルドに比べると工期は短期間、コストも抑える事が出来る、浴槽再生塗装は優秀な工法です。
直して使用出来るものはできる限り壊さずに再生しましょう!
それが最善の方法ですよ。
塗装色は、せっかくだからと色を変えましょう!と、私の提案。
写真では色がよくわかりませんが、お母様と娘様のご希望で、
黄色が少し残る薄い緑色に決定!
殆どのお客様が現状回復をご希望され、同様の色を指定されますが、
せっかく再生塗装するのであれば、
心機一転別の色が良いのではと思うのは私だけでしょうか?