現場は名古屋市の住宅街。築45年程経過した在来工法の浴室です。
当初施主様から頂いたご一報は、錆びていて危ないのでなんとか塗装で直したい、
とのお電話でした。
危ない程の状態なら入れ替えられた方がよいのでは、と話しましたが、
この場所には数年しか住まないから少しでもコストを抑えたい、とのことで
取り敢えず現調する事に。
浴槽を見た瞬間、
「おおっ!これはちょっと酷そうだけど、何故にフランジがこんなになっているの?」
「釉薬の剥がれ方も浴槽壁面の中央部のみとは??」
鋼板ホーロー浴槽の場合、多いのがR部分の足裏からのサビですが、
この浴槽の場合R部分には発生しておらず、壁面の釉薬が剥がれて弱っている箇所に
円を描く様に無数に発生していました。
許可を貰いアルミテープを剥がすと、
思ってた以上にボロボロになっていてビックリ仰天です。
この時点で、塗装で直せない事はないですが、錆について保証出来ないので、と
やはり入れ替えを勧めました。
それでも、塗装で直した場合と入れ替えた場合の両方の見積もりを出して欲しいと言われ、
浴槽塗装・補修・洗い場シートと、浴槽入れ替え・洗い場シートの見積もりを提出です。
結果、10万円弱ほどの違いで入れ替えることとなりました。
洗い場のコインタイルは年月を物語っていました。
エプロン下部のタイルは侵食され陥没している状態、。
排水口は歪んでしまい、悪臭も漂っていました。
リフォーム後です。
施主様に大変喜んで頂きました。
小さな子供がいるので浅めの浴槽をご希望されましたので、
深さ500mm 幅1100mmタイプを設置させて頂きました。
やはり新品はとても奇禮です。
まれにですが、サビて腐っているホーロー浴槽を無理やり耐熱パテやライニングで
再生塗装しているのを見かけますが、お薦めはできませんね。
表面だけがサビている浴槽なら大丈夫ですが、裏から来ているサビは止める事は不可能です。
入れ替えまでの応急処置として塗装するなら施工しても問題ないと思いますが、
そういった説明を施主様にすることなく保証を付けて安易に再生塗装をされたものに出会うことがあり、
残念です。結局後にクレームになれば施主様に迷惑がかかることになります。
いつも言いますが、浴室・浴槽塗装には深い知識・経験が不可欠です。
私自身、日々勉強、前進ですわ!
洗い場には衝撃吸収性・接触温熱感を保つ、
東リのバスナアルティ アイボリーを貼り浴槽と一体感を持たせました。
排水口は防臭機能付きの物に交換しました。