築50年程経ったアパートの一室です。
見た目には経年劣化で傷んでいる位にしか見えませんが、
浴槽内部はパリパリのクラックだらけです。
写真では分かりづらいですが、
壁面は大小様々なクラックでパリパリ、刃物を充てるとカリカリ状態。
この部屋に住む、御年78歳のお母ちゃんに話を聞くと、
浴槽にお湯を溜めても、20分程で見事に空になってしまうそうです。
と、言うことで漏水状態になっていました。
こんな状態の浴槽なので、
お母ちゃんはここ2ヶ月余り、ちゃんと風呂に入った事が無いらしく、
髪の毛もシンクで洗っていたと聞いて、
一刻も早く直してあげないと、と思いライニングを急ぐ事に。
ガラスクロスを使用して、浴槽内部全面ライニング。
漏れているだろうと思われる箇所にはクロスを積層して対処です。
施工後です。
「流石プロだねぇ~、新品になったね!、これでゆっくりとお風呂に入れるわ」と、
大変喜んで頂き安堵しました。
お母ちゃんは私との会話で何度も「ありがとうね、本当におたくで良かったわ」と言ってくれました。
とても仲の良かったお父ちゃんを見送られてまだほんの数ヵ月・・・。
笑顔・涙、時に号泣・笑顔の連続は今後忘れる事はないでしょう。
買い物以外はあまり外出もせず部屋に篭もりぎみで、
他人との会話も少なかったと・・・
せめて3日間の施工期間だけでも元気が出るようにと、
息子になったような気持ちでした。
今回、浴槽を再生し喜んで頂いた事以外に、
人と人とのふれあい、温かい気持ちにさせてもらったこと、嬉しく感じています。
最終日の別れ際に、私は「父ちゃんの分まで長生きしなあかんよ」、
「友達作って外出しなあかんよ」とまた繰り返していました。
お母ちゃんは「分かった!分かった!だからまた遊びに来てね」と。
私の車が見えなくなるまで手を振って見送って頂いたお母ちゃん、
これからもお元気で!
そして、ゆっくり今までの分まで、湯船に浸かって下さいね。