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鋼板ホーロー浴槽 塗装 サビ補修 名古屋市

築50年ほどの名古屋市内にあるアパートの一室。
在来工法の鋼板ホーロー浴槽がサビサビです。
元請さんから見積もり依頼をもらいこの写真を見た瞬間、これは塗装では再生不可能!
当然塗り替えではなく、新品浴槽への入れ替えを勧めたのですが、
造作工事等、コストがかかりすぎるため、
どうしても直してほしいと強く要望があったので、
サビの再発については保証無しで、しぶしぶ引き受ける事になりました。
もちろん、通常はこのような案件は確実にお断りするのですが、
長年お付き合いさせて頂いている元請さんの頼みなので、今回施工することとなりました。

Before

浴槽周りのシーリングが全て切れていて、
裏側に水がまわり悲惨な状況でした。
浴槽底面には水が溜まっているのか、
足で圧力をかけるとグチョグチョと異様な音がする現状。
もしかすると排水が悪くプール状になっているかも???

目視だけでも11箇所からサビが出ていました。

これだけサビていては基本的には修復不可能です。
知識と技術、経験がなければ、施工する事は返って無用なトラブルを招きます。
鋼板ホーロー浴槽によくある、表面の釉薬が欠落してしまい、
表面がサビている場合は対処できますが、
水が裏に周り、浴槽裏側からのサビで貫通してしまっている場合は、
表から直しても、完全にサビを止める事は不可能です。
この浴槽がまさにその良い例です。

サビ除去→下地処理→エッチング後です。
11箇所中8箇所あっという間に貫通しました。
壁面7箇所、底面に1箇所です。
貫通するのは分かっていても、本当に穴が空くとやはり泣きですね。
がぁ〜んですわ!長丁場になります。

現調時に正しい認識が無くこのような案件を安易に引き受けてしまい、
この段階で直し方が分からず途方にくれるという業者の話を聞くことがあります。
実際私も、このような状況の現場から相談の電話をもらい、
その後のやり方を全てアドバイスしたという経験があります。
現調時に正しい判断をする、その正しい認識に基づき適切な施工をする。
その当然のことを成し得るためだけでも、浴槽塗装をする上では、確かな知識、技術、経験が必要不可欠です。
浴槽塗装は奥が深い!現場ごと勉強です!

一番サビが酷かったバスキャップ周りです。
綺麗?に4箇所穴が空きました。

このような釉薬が無くなった浴槽ですので、
もちろんピンホールだらけ、総パテ処理です。

施工後です。
少し濃いめのブルー系で再生塗装となりました。

After

サビ・穴は何処にあったの!?、と思うくらい、
不陸は全く無く、新品同様に蘇っています。

通常、このようにサビが出ているホーロー浴槽の場合、
どうしても直す場合はライニングで補修となりますが、
今回はライニング工法は全く使用していません。
工期も短いWelding Technique といいましょうか、特殊技術工法です。
久しぶりにこの工法を使いました。

ツルツルのテカテカですよ。
この現場もノンポリッシュです。

カテゴリー: FRPライニング (クラック・割れ・穴補修), サビ補修, ホーロー浴槽塗装 | タグ: | コメントは受け付けていません。