月別アーカイブ: 4月 2015

FRP浴槽塗装 割れ補修 溜湯

築40年ほど経った戸建住宅です。
浴室は一度リフォームされ10年ほど経つとのこと。
浴槽の壁面が一部割れて変色も起きています。

この浴槽、ここ8年ほどは24時間システムを取り入れられ、日々使用されていたそうです。
24時間風呂=お湯を抜かず溜湯状態、ですね。
何度も言いますが、これが問題です!
少し前にも24時間風呂を使用されていたご家庭の浴槽を再生塗装したばかりですが、
お湯を抜かずに長年使用した場合、かなり高い確率で何らかの問題が起きています。
これは樹脂浴槽でも、強固なホーロー浴槽でも同じです。
個人的な見解ですが、お湯を抜くということは、浴槽に休息を与えること、必要不可欠な作業だと思っています。
お湯を抜かずに長時間の溜湯はあきませ〜ん!と、実は思っていますよ。

今回の割れは溜湯が原因ではありませんが、
フランジ(浴槽の上縁部)の変色と、
フランジから浴槽内部にかけての数十センチの変色は、
おそらく溜湯と蓋の使用が原因だと思われます。

Before

お湯が漏るので、と出入りしている大工さんに相談され、
応急処置としてコーキングを打ってもらい使用していたとのことです。

コーキングを取ると30㎝ほど割れて口が開いていました。

施工後、奥様と長々と色々な話をさせていただきました。
築40年もするといろんな所が傷んできて、リフォームが続いている、と。
屋根工事、外壁塗り直し、リビングの床貼り替え、
そして最後に、浴室のリフォーム工事でした。
割れてしまった浴槽は、本当は入れ替えをして新品浴槽にしたかったそうですが、
同サイズの浴槽を入れるには、出入り口の造作工事が必要だと判明。
コストが掛かるため、出入りしている業者さんに相談したところ、
浴槽の割れを直して塗装で再生できることを知り、今回の施工に至りました。

施工後の浴槽を見られた奥様が一言。
「割れた浴槽を直せるなんて知らなかったけど、
やっぱり直して使えるものは再利用したほうがいいわよね!」と。
そうです!
Reduce(リデュース)・Reuse (リユース)・Recycle(リサイクル)、
3Rの精神です。

あまり知られていないと思いますが、
FRP (Fiber Reinforced Plastic) 製品は繊維が入っている素材です。
その素材の特徴上、処分が困難で処理費用も高額になります。
その為リサイクルも難しくその多くが埋め立て処分されている現状です。
最終処分場(埋立場所)の残余年数も年々厳しくなるなか、
環境問題という観点からも、埋め立てという方法を少しでも減らすこと、
リサイクルできるものはできる限り再生利用することは、大変意味のあることだと思います。

浴槽が割れたら、浴槽に穴が開いたら、浴槽を入れ替えるしかないな、そう思われたら、
まず思い出して下さい。お風呂は直ります。
浴槽塗装、浴槽補修の再生技術。
浴室・浴槽リフォームのナンバーワンメソッドとして広く知ってもらいたいものです。

クリーム系で再生塗装です。
新品みたいでピッカピカのツルツルだと、大変喜んで頂きました。

After

Postscript.

下記、5枚の写真は溜湯が原因で問題が起きている浴槽です。

青色のジェット付きFRP浴槽が白く変色しています。
写真では分かりませんが、底面全体に無数のクラックが発生。
よくあるパリパリ状態です。
また、底面は強度も無いために一部プカプカ状態で、
大きめの割れも3箇所発生していました。

白色のFRA浴槽ですが、洗濯に使うため毎回溜湯をして蓋をしていたために、
全体的にツヤも無くなり、青く変色してしまいました。

ポリエステル系の人造大理石浴槽です。
こちらも長年の溜湯で浴槽全体に大小のブリスター(膨れ)が発生しています。
このブリスターこそが、水の溶解力、破壊力で起きる現象です。
そして、オズモティックプレッシャーと呼ばれる最強の浸透圧による悪戯なのです。
こうなる前に手を打ちたいものですが、一般の方では分からないので、
なんともなりませんよね。

グレー系のFRP浴槽ですが、喫水線から下が見事に白く変色しています。
ここまで綺麗?に変色した浴槽はあまり見かけません!

最後は鋼板ホーロー浴槽です。
ご年配のご夫婦が使用されている浴槽です。
やはり長年溜湯をされてきたそうで、
釉薬は完全に剥がれ落ちてしまい全体的にザラザラ状態。
これは水の溶解力と破壊力によるものです。
そして再生不可能なサビが至る所に発生していました。
再生不可能なサビとは、サビが裏から貫通して穴が開いている状態をいいます。
穴が開いた鋼板浴槽でも上から治す事は可能ですが、裏からのサビを止める事は不可能です。
直しても結局、中途半端な施工になり保証をおつけする事ができませんので、
このような症状の場合には、入れ替えをお勧めしております。

カテゴリー: FRPライニング (クラック・割れ・穴補修), FRP浴槽塗装 | コメントは受け付けていません。