現場は愛知県江南市の閑静な住宅街。
築35年ほど経過した戸建住宅の浴槽です。
仕事の都合等で数年住んでおらず、久しぶりに自宅に戻られたら…。
長い間使用していなかった浴槽が錆びてしまい、
そのままでは使用できない状態になっていました。
この際システムバスに入れ替えようと見積もりを取ったところ、
200万近くかかると言われビックリされ、
その後ネットで調べていたら、浴槽を塗装で再生できることが分かり、ご依頼いただきました。
今回は浴槽だけですが、コストは15分の1以下で済んだことになります。
ゴミをできるだけ出さない循環型社会の精神5Rの考えが生かされていますね。
お電話では少し錆びているとお聞きしていましたが、
現調に伺い浴槽を見ると、なんじゃこりゃ〜っ!と、ビックリもんでした。
最初に見たときはサビの状態と浴槽の厚みから判断して、
内部はステンレスではないなぁ〜と。
また、カラーステンレス浴槽とも違い、
よくよく見ると長年使用され溜湯でやられたグサグサのピンホールだらけの、
鋼板ホーロー浴槽の症状と全く同じでした。
少し錆びた箇所をチビポリで研磨すると、現れたのはなんと間違いなくステンレス、
で、その上にホーローなのか???です。
えっ!こんな浴槽あるの?なんじゃこれは、ですわ。
ステンレスホーローマグカップは聞いたことありますが、
ステンレスホーロー浴槽なんて聞いたことがありません!
これまでに何千槽という浴槽を見てきた私にとっても、初めての出会いです。
一つとして同じ現場はない、というのが私の持論ですが、それは、
現場ごとの症状、状況、温度湿度を含めた環境に合わせ、
現場ごと最良の施工方法を施す、という私のやり方から思うことで、
浴槽の材質として、まだ知らないタイプがあるとは。
まだまだ未知のタイプがあるなと妙に感心した次第です。
私と同様の実績を持つ浴槽塗装仲間に話してもみましたが、そんなんありえへん!と、やはり同じ意見。
ほうろうは鉄やアルミなどの金属を下地にして、
その上にガラス質のうわぐすりを高温で焼きつけたものなので、
ありえんことはないのでしょうが…。
よくあるカラーステンレスの剥がれなら、剥離からの下地調整となりますが、
この浴槽は剥ぐ事は不可能なので、頭を使う施工方法となったのは、
言うまでもありません。
しかし、このサビはなんなんだ!?
変色は溜湯が原因ですが、サビについては判別不可能。
奥様に以前は直火抱きでしたか?と、お聞きすると、
いや、ずっ〜とガスですよ!と。
う〜ん、やっぱり分かりません。
またひとつ課題ができました。
白のソリッドで再生塗装となりました。
奥様に確認していただくと、
「わっ〜新品になった!あんなのが直るんだ、入れ替えんでよかったわ!」と、
大変感動していただきました。