25年越えの集合住宅の一室。愛知県春日井市。
11x16のフルユニット浴室塗装です。
ジョイナー部分やシーリング上に生えたカビが酷く、
使用感バリバリなので、塗装で再生することになりました。
この現場では約2年ぶりにOJT (現場研修)を実施しました。
OJTとは言え、参加されたのはベテランのスタッフです。
そんなベテランですが、フルユニットを吹く時に問題が出ることがあるということで、
私の現場で新しいシステムを使い、トレーニングを兼ねての吹き付けの勉強となりました。
塩ビ鋼板の膨れです。
浴室塗装をしていく上では、このような症状には何度も出くわしますね。
今回は吹き付けOJTなので、下地処理から養生までは私が、
吹き付けは某氏が行いました。
写真では分かりづらいですが、勿論ツルツルのテカテカです。
これなら何処の現場に行っても合格点が出る出来栄えですね。
ベテラン故、ちょっとしたアドバイスに反応し、
適応されたことで、今までとは違った結果が出ます。
これがプロですね。
よくこの水廻り塗装を始めた人が、上塗りが綺麗に吹けない、
艶が無い、ユズ肌になった、と言っているのを聞きますが、
上塗りに問題がある、上塗りの技術不足、という以前に、
下地処理が十分であったかを常に問うべきです。
私は昔から良くOJTに来た人に言ってきました。
浴室・浴槽塗装は非常に瑕疵率の高い仕事です。
清掃から始まり、足付け(下地処理)などの接着理論を理解した上で、
各種素材への対応が求められます。
足付けは最重要工程です。
経験が浅いと手を抜いた下地処理(手を抜いていないと思っていても、あま研ぎは絶対あります)はどうしても起きます。
その結果、後に剥がれや膨れなどの問題が起きる事があり、
依頼して頂いた施主様や元請様に迷惑がかかってしまいます。
それらを理解した上での足付け、下地処理が絶対必要です。
上塗りはやり直しがききますが、下地処理は不可能ですよ。
また、吹き付けには、
使用する塗装機(コンプレッサーやHVLP)やシステムによっても違う、
様々な利点や欠点が生じます。
吹き付け時の気温や湿度なども影響します。
箱物の内部を吹く浴室・浴槽塗装は思った以上に難しい塗装です。
経験の積み重ね無しで、上手く吹く、はあり得ません。
どの職種にも通じることですが、経験、知識、技術は絶対条件です!
塩ビ鋼板の膨れ、施工後の写真です。
例えばこの<膨れの補修>においても、
膨れた箇所の除去、崩れたサビの撤去、研磨、錆止め、足付け、補強など、
十分且つ適正な下地の調整無しでは、後ににサビが垂れてくるなどの問題が出ます。