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鋳物ホーロー浴槽 再生塗装 岐阜市

設置後25年ほど経過した鋳物ホーロー浴槽です。
最初に見た瞬間、なんじゃこりゃ〜っ!と唖然、ビックリ仰天!
何故に、この様な状態に・・・と首を傾げてしまいました。
この状態では落ち着いて湯船に浸かることはできませんね。
入れ替えも考えられた様ですが、
大事になりコストが嵩むため、塗装で再生することになりました。

Before

実はこの白いまだらの汚れの原因は、プロ?の洗い屋さんによるものでした。
ほんの数週間前にも洗い屋さんが失敗した現場を施工したばかりで、
この様な案件には年間を通じ何度か遭遇します。

もともとは浴槽フランジに付着したスケール
(水から沈殿したカルシウムやマグネシウムの成分が固まった物)
を除去するため洗い屋さんに依頼、洗い屋さんが酸性洗剤を刷毛で塗布した後変色したということです。

釉薬が落ちて浴槽表面が弱っている箇所が全て変色しています。

刷毛ムラと言うにはあまりにもひどい変色が発生、
施工した業者はさぞかしビックリしたことでしょうね!

一般的にスケール除去となれば、業務用の強力な酸性洗剤を使用しますが、
ここまでしっかりと付着したスケールは洗剤では不可能です。
私は以前、レジャーホテルの浴槽専門にスケールなどを除去し、
浴槽をコーティングする仕事もしておりましたが、
このスケールはシリカ系のスケールです。
シリカ系はケイ酸と呼ばれる化合物でできていますので、 
酸性洗剤で落とす事は不可能に近く、ダイヤなどで研磨するしかありません。
スケールにもいろいろあり、取るべき処置の仕方ももちろん変わります。
経験が浅く理解していなかったのか、悲惨な結果となりましたね。

エッチング後です、綺麗?になりました。

定番の白で再生塗装となりました。
施工日の岐阜市の最高気温は体温を上回る38.4度。
ただでさえ暑いのに、この浴室の天井は半分は透明のアクリル板で、
太陽光と紫外線にやられながらの作業。
尚且つ、テント養生での吹き付け。
日射l病になるかとクラクラになりながらの施工でした。

After

時々、同業者に暑い時期はどのように吹き付けるんですか?、
ゆず肌になったり、艶引けしませんか?と、
質問を受ける事がありますが、
私の場合はシンナー量をかえるだけで、全く問題無し!
いつも通りの吹き付けです。
写真では分かりませんが、この浴槽もテラテラです。
そしてブツも殆ど無く、ほぼノンポリッシュです。
塗装は吹き付け後に手を加えないのがベストですよ。

施工後を元請さんに確認していただくと、
「うわっ、こんなになるの?ピカピカの新品だわ。感動的!壊さずに本当に良かった」と、
何枚も写真を撮っていかれました。
施工前に知り合いの方に、浴槽は塗れないと聞いていたらしく、
どうなるかとても心配していたそうです。
また、施主の奥様も、
「こんなに綺麗になるんだ!ありがとね、ありがとね。」と、大変喜んで頂き、
「知り合いで困っている人がいたら紹介するね!」と、
嬉しいお言葉もいただきました。
最後に「本当に暑いなか、ご苦労さま、3キロぐらい痩せたんじゃない?」と、
温かいねぎらいのお言葉と冗談も。
汗と戦いながらの暑い、熱い二日間でした。

壊さずに使用出来るものは再利用する、
浴槽塗装は立派な5R運動です。

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